道具について

　

塗装するときには様々な道具を使用します。それらを効率的・効果的に使用することで、きれいに仕上げることができます。

下地調整用の道具について

塗料を塗る前には、下地（塗料を塗る物）についている埃や汚れ、錆などの阻害要因を取り除かなければなりません。もし、そのままにしてしまうと塗料が剥がれてしまったり、見えないところで傷みが進行してしまい、かえって大変な作業が必要になってしまう事もあります。一番大事な作業です。
下地調整の作業として以下の種類があります。

�@ケレン
�A高圧水洗
�B素地調整
�C汚れ除去作業
�Dその他

�@のケレン作業は、工具を使い表面を削る作業のことで、下地調整の中でも一番重要な作業です。この作業は汚れや、錆などの除去はもちろんですが、塗料の密着を高めてくれる効果もあります。
よく使われるものとしてサンドペーパー、電動工具（ディスクグラインダー、ジェットスケラー）等があります。

�A高圧水洗は、長年付着した汚れや食い込んだ汚れなどを高圧に圧縮した水で洗浄する作業です。

�B素地調整は、パテやフィラー、モルタル等を用いてヒビやクラック、へこみや段差等を補修したり、サンドペーパーや研磨布などで目粗しして密着を高めたりすることです。木部の場合は、漂白やあく抜き、カビ取りなどもこれに当たります。

�C汚れ除去作業は、カビや藻の等の汚れやシリコン汚染の除去、また、タイル面の汚れの除去などのことです。カビや藻が付着したままだと塗膜の下でも成長を続けてしまう事もあります。シリコン汚染は、シリコン成分が塗料の密着を阻害するため早期の剥離を誘発します。タイル面の汚れは、薬品で洗浄します。タイル面への塗装はクリア塗装が主の為、汚れが残っているとそのまま見えてしまうためです。

�Dのその他は、�@〜�C以外のものを指します。モノや状態によってさまざまな対応がある為、その都度確認して適切な下地調整を行います。

船舶用塗料

　　　

水上や水中という過酷な環境下でも船を保護することが出来る塗料です。船といっても、大型のものから小型のもの、用途によっても様々な船があり、それぞれによっても材質はもちろん求められる性能も違います。例えば，船の没水部では貝が付きにくいものや、甲板では耐久性があり滑りにくくしたもの等です。その場所や、求められる性能に合わせて様々な種類があります。

機械関係用塗料

機械のカバーやパーツ等の塗装に多く使われています。また、ドラム缶や配管の外側など工場で塗装するときに多く使われています。工場塗装では塗装作業性と乾燥が早いものが求められるため、それらに対応した塗料ですが、仕上がりや、作業性など、求められる条件が様々なので塗料も種類が多く設定されています。

車両用塗料

車やバイクなどに使われる塗料です。塗装には製造工業での塗装と、板金工場での塗装に分けられ、当社では板金工場に適したと塗料を取り扱っております。板金工場とは、簡単に言うと町場にある車検や整備、補修等を行うところです。その為、新車時の色だけでなく、実車の色に合わせた色を塗装しなくてはならないため、調色技術を求められます。調色しやすくするために、原色が数多く設定されており、例えばブラックといっても真っ黒や赤みを持ったもの、青みを持ったもの等あります。また、ヒーターを当てて乾燥させるものから、常温でも乾くものなどもあります。

家庭用塗料

プロ用のものを一般の方が使いやすいように作られたものです。その為、インテリアはもちろんエクステリアにも使いやすく作られています。また、池や床、ベランダの防水用の塗料やスプレータイプの塗料もあり、サイズも数重グラムの小さい缶から石油缶などの大きい缶もございます。

塗装道具

刷毛（ハケ）

刷毛は字にもある通り、毛が使われており、毛に塗料を含ませて塗装する道具です。さまざまな塗料を塗りやすくするために、それぞれの塗料に適した刷毛が作られております。その為、毛の種類はもちろん、毛の長さや幅も様々です。よって、使う塗料や塗装する場所に合わせて選ばれるのをお勧めいたします。

ローラー

広い面積を均一に塗るのに適した道具です。塗料を一定に吐き出しやすく作られており、力も均一にかかりやすく作られています。塗料に合わせて毛の種類や作りを工夫しており、また毛の長さや幅も様々です。最近では、均一に塗りやすいことを利用して、狭い幅を塗れるタイプや、狭い場所に塗れるようにしたタイプも販売しております。

塗装機器

　

広い面積を短時間で一気に仕上げたり、刷毛やローラーではできない塗料を厚くつけたり、特殊な模様を付けたりできる道具です。ガソリンエンジンのタイプや電動のもの、コンパクトで持ち運びしやすいもの皮大型で力のあるものなど様々な種類があります。

洗浄機

塗装をするうえで、一番重要なのは下地処理をしっかりと行うことです。その一つに、高圧洗浄があります。これは、水を高圧で吹き付けることで、砂埃などの表面の汚れや剥がれかけている塗膜をきちんと洗い流し、しっかりと塗装できる状態にすることです。これが不十分だと、せっかく塗装しても剥がれや浮き、膨れ等の不具合が起きる可能性が高くなり、仕上がりにも影響します。その高圧洗浄をしやすくしたものが高圧洗浄器です。持ち運びしやすいコンパクトなものから、車に積みこむ大型のものまでいろいろな種類があります。高圧洗浄専用の車両もあり温水での洗浄機能付きもあります。

ケレン道具

　　

ケレンも下地処理には欠かすことのできない重要な作業です。剥がれかかっている塗膜や錆の除去はもちろんですが、ワザと塗膜に傷をつけたり、金属面に傷をつけたりします。これは、どんなに高性能のものを塗っても下から剥がれてしまっては意味がない為です。剥がれかかっているところに塗れば、そこから剥がれるのはもちろんですが、錆もしっかり除去しないと、錆が進行しやすくなり、そこから剥がれてしまいます。また、錆が進行するということは部材自体にも悪影響が出てしまっているということです。そうならない為に、剥がれかかっている塗膜や錆はしっかりと剥がさなければなりません。また、そのままでは非鉄金属などに塗装する場合は、基本的に塗料が密着しにくいため、ワザと傷をつけて、表面積を増やし密着力を高めて剥がれにくくします。このような作業がしやすいように、サンドペーパーやヤスリ、皮スキやサンダーなどの機械工具など様々あります。機械も電動とエアーの二種類あります。

養生用品

塗装するときには、不意に塗料がはねてしまったり、こぼれてしまうことがあります。そうすると、せっかくきれいに塗装したくても、汚してしまう可能性があります。その為、汚してしまったところは塗り直さなくてはならない手間が増えてしまったり、ひどい場合は塗料を一旦剥がしてから塗装をし直さなくてはならない場合もあります。それらを未然に防ぐために、塗らない場所や汚したくない場所にビニールシートやガムテープなどを張る等のマスキング処理を行う道具を養生用品といいます。種類としては、ビニールシートにガムテープが付いているマスカーや布ガムテープ、ＰＰテープ、特殊な紙のテープのマスキングテープ等があります。また、ノーポリシートと呼ばれるビニールシートや布のシートなどもあります。

その他

他にも、余った塗料を固めて捨てられるようにする薬品や、テープを付きやすくするスプレー、足場や飛散防止用のネット、また、塗装をしやすくする道具やちょっとした便利道具も取り扱っております。